標識 4: 水辺の散策
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シーモンキーという生物を知っていますか。この小さな生物は、塩水エビです。水辺に近づけば水中にいるのが見られます。足をぬらしたくなければ、ビジターセンターに展示されているのをご覧ください。
湖は、魚や一般の水生生物が生息するには塩分が高すぎるので、特殊なエコシステムが発生しました。塩水エビ、塩水バエ、数種の藻だけが高塩分水の中で生息できる生物です。塩水エビと塩水バエは藻を食べ、その代わりに膨大な数の渡り鳥のエサとなるのです。
湖には岩礁もありますが、海洋の岩礁のようにサンゴで形成されているわけではありません。サンゴは分類上は動物ですが、グレートソルトレイクの岩礁は、藻類塊状礁とよばれる藻の球根状の堆積物によってできています。湖に設置されたブイ(浮き)がこれらの岩礁を船舶から守り、船を深い水路に誘導しています。
湖岸線に沿って、これら2つの生物の異なった生育過程が見られます。塩水バエは幼虫として長い間水中で暮らします。サナギから脱皮するとき、気泡の中に入って湖面に浮上します。そして、サナギの外皮は水際に打ち上げられます。シストとも呼ばれる塩水エビの卵も、湖岸線に沿って見られます。これらのシストは商業用に収穫され、主に魚のエサになります。
暖かい時期には、湖の岸辺に沿って塩水バエを見かけることでしょう。その膨大な量に驚くかもしれませんが、塩水バエは刺しませんし、人が近寄れば移動します。水に入りたい時は、塩水バエの大群の中を通り抜けてください。湖岸から離れれば、その数も減っていきます。
カモメがくちばしを大きく開けて、塩水バエの大群の中を走り回り、簡単に食べられるエサを堪能している様子を見ることもできるでしょう。257種類に及ぶ5百万羽以上の鳥類が毎年湖を訪れます。絶えず変化する湖岸線は、周囲に湿地帯を形成し、鳥たちはこの湿地帯を移動の際の経由地や巣作りに利用します。
Translation by Masako Lutz